CD125K5 失火症状 修理
これまでの長距離作戦の記録で何度か記載してきたが、
CD125K5は長時間の坂登りや平地でのフルスロットルが続くと失火症状が出るのだ。
いったんアクセルを戻せば改善するので旅には問題ないのだが、
不調状態のまま置いておくのも精神衛生上、よくない。
近江敦賀作戦でクロちゃんに相談したところ、
エンジンが高回転で回っているので、徐々に電力需要に追い付かなくなり、
プラグが点火しなくなっているのでは?
というヒントを得た。
帰宅してから、点火系を対策してみようと
ポイントを露出させて
点火時期を早めてみたり、ポイントギャップを狭めて発電期間をやや長めにしてみたりと対策してみた。
さて、このたび、
これら対策をしてから、効果がどうかというのを確かめるテストコースのめどが立った。
近所に平地で2kmほどのコース(私道だ)があるのだが、
ここをフルスロットル80km/hで走り続けると、1.5kmほど走ったところで失火症状が出ることが確認されたのだ。
これは非常にありがたい。
さまざまな対策をしてそのたびに何度も試走できる。
ここをテストコースとして走ってみる。
しかし… 何も変わらない。症状は同じ。
ううむ。
点火系 電力系を詰めるとしたら、あとはコンデンサーを変えたりプラグを変えたりかな?
と思うが、これらの交換にはタンクを外さないといけない。
面倒くさいなあ。
その時、思いつく。
そういや
ータンクが満タンの時は症状が出にくい感じがするー
旅の最中、給油をしたら、その後は症状の出方がマイルドで少々の坂なら失火症状なく登り切れていたような…気がしていた。
これが本当かどうか確かめてみよう。
ガソリンを満タンにして、テストコースへ。
すると…
なんと全く失火症状なく2kmを走り切れた!!
と、いうことはだ。
これは点火とか電力とかの症状ではなくやはり燃料供給の問題だろう。
そこでフルスロットル状態でキャブへの燃料供給が足りなくなっているのだと考えて
燃料供給システムの見直しを再度行うことにした。
タンクの燃料を減らして、失火症状がおこる条件のもとで、
フューエルチューブを太いものにした→しかしテスト走行は全然症状変わりなし
よし、次は…
燃料コックのメインタンク用・細管を外してみる→しかしテスト走行では全然変わらん
燃料コック内のフィルターを外してみる→しかしテスト走行では全然変わらん
結局
タンク→キャブレター間 経路
の燃料送流を改善させる処置をしていくが全然変わらなかった。
でも、タンク満タンにしたら改善するのだから、どこかに原因があるはず…
一晩、寝ながら考えた。
そうだ!!!
コックじゃなくて、燃料供給の律速段階はキャブレターのバルブではないか?
例えば、
この絵のように、
キャブレター内の油面が高いキャブA と 油面が低いキャブBがあるとする。
この状態で、フルスロットルを長時間行ってキャブレター内部の燃料が減ってくると、
走行が不可能になるほどの油面に至ったときに、
Aではフロートがしっかり下がる分、燃料供給が十分にされて油面復帰できるが、
Bではフロートの下がり幅が狭いためバルブの隙間が確保できず燃料供給が遅れて走行不可能な油面まで下がっていってしまう
のでは!
(タンク満タンの時には狭い隙間でも燃料の重量でなんとか送流が保たれる)
そこで早速、油面調整する。
調整前の油面。
サービスマニュアルとかないから、これが適正かどうか、低すぎるのかどうかわからないのだが、
若干油面を上昇させてみた。
これで走行してみると。
なんとタンク満タンでなくとも、2km全開走行をフルスロットルで失火せずに走り切れた。
やったぜ!!
さらにフューエルチューブ、細管、フィルターを元に戻しても、
失火症状はでない。
やはり原因は油面が低すぎたから、だった。
けっこう長い間、原因がわからずヤキモキしたが、
いろんな対策をしていじる機会が多く楽しめたなあと思う。
最終的に要らないパーツを買ったりせず、タダの対策のみで直ったのもよかったぜ。♪