アクセルを吹かしながらエンジンが止まらないようにしていると、
しっかりエンジンが温まって、いずれ普通にアイドリングして、普通に走れるようになるので、
エンジンが「少しだけ温まった時」だけ不調なのだ。
キャブレターのエアスクリュやアイドルスクリュの調整をしてみたけど、
「少しだけ温まった状態」で好調を維持しようとすると、
しっかり温まった時にアイドリングが高くなりすぎるのでダメ。
キャブのスクリュが原因じゃない。
これはチョークがうまくいっていないのだろう。
チョークの効果が長続きせず早期に終わってしまっているのが問題ではないだろうか?
ウチのロードパルSはオートチョークなので、
寒冷時には勝手にチョークがかかっている…はずなのだが、
どういう機構・仕組みで行われているか全然知らない。
ネット検索してみるが、全然情報が見つけられなかった。
そこで、自分で実機を分解して機構を調査してみることにした。
エンジンヘッドに何やらボックスが付いていて、そこから3本に分かれるブラスチックパーツあり、
そこから配管が出ている。
おそらくここでエンジンの熱を感知しているのだろう。
配管には1、2、3とナンバーが書いてある。
そのうち、
1番は
キャブレターからエンジンに入るインテークマニホールドにつながっている。
ここはエンジンの吸入負圧がかかっているはずだから、
1番ホースはマニホールド側に吸われる流れがあるはずだね。
2番と3番は
こんな感じ。
2番はそのままキャブレターにつながっているが、
3番はエアクリーナーボックス裏に装着されて下部に大気開放穴がある部分を経て
4番ホースとなり、4番ホースがキャブレターにつながっているのだ。
ややこしや~
どういう動作原理なのだか全くわからん!
さらに分解して役割を分析しよう。
ヘッドから箱を外してみる。
箱を開けてみると、こんな感じになっていた。
見て、ああ、これバイメタルの反りを利用した温度検知機構だなとわかった。
箱内部の板が温度が上昇することによって反り返り、それで何かを動作させる、のだろう。
バイメタルの反りにつられて動くであろうパーツを外してみる。
ばねの中にある軸。これが動くぞ。
なるほど、
ではバイメタルの反りによって中央軸が動くことで、
1.2.3が開いたり閉じたりするのではないだろうか?
中央軸を押したり引いたりして息を吹き込み、各管腔の状況を確認してみると、
軸をしっかり引いているとき→1-2がつながっている
軸を少しづつ押し込んでいくと→1-2-3がつながっている
軸を最後まで押し込む→1が完全に閉塞している
フムフム
組んでみて、
バイメタルにドライヤーを当てて熱する。
すると、
冷時 軸がしっかり引かれていて→1-2がつながっている
暖時 軸を少しづつ押し込まれ→1-2-3がつながっている
熱時 軸が最後まで押し込まれ→1が完全に閉塞している
ということが分かった。
つまり
エンジンの熱によって中央軸が徐々に押し込まれて行って、
1のインマニ負圧が
最初2番チューブでキャブから追加燃料を吸っていたものが、
徐々に3番チューブから薄いものを吸うようになり、
最終的には1が閉塞して吸いが停止される。
のだろう。
図に書きながら調査していたので、最終的に
こんな図がかけた。
ちょっとツイッターに出してみようかな、と、
この絵をツイッターに出して「これわかるやつ天才」って書いたら、
クロちゃん、赤目さんとかが瞬殺で即答。
あらら、最初からクロちゃんに聞いたらよかったぜ。まあいいや。
そして組んで終了。
オートチョークの機構が良く理解できてよかった(^^)。
で、この記事を書きながら写真を見返していたところ、いまさらながらに気づいたのが、
可動中央軸、ネジが切ってあるね。
ってことは…
中央軸の固定ナットを締め込んで、中央軸の「熱により押し込まれる」タイミングを遅らせれば、
チョークが効いている期間を延ばすことができるじゃないか!?
(つまりしっかりエンジンが温まるまでチョークを効かし続けられる)
分解調査するだけで満足して終了してしまったぜ。
後日、また分解して調整してみよう~