たまご号の素性を暴く。(前期後期検討)
先日購入したたまご号ですが、この車両の素性を探っていくことにしましょう。
パッと見はセル付き前期型キディイエローです。
まずは一番簡単な方法。シート下のシールを見てみます。
MODEL X5DK3
COLOR 019 CODE 1400
と書いてあります。
意味するところは
X5DK3=最初期型K3タイプのデラックスタイプ(セル付き)
COLOR 019=車体色はソリッドブラック。
あれーいきなりカラーの表示が違うではないか。(キディイエローはCOLOR YDLです)
もともと黒だったものがキディイエローの外装に変更されたのかもしれないが、
カウル内部に一切触られた跡がなさそうなので、シートがセル付き黒のものに付け替えられたと考える方が自然でしょうか。
(このシートは破れているので、もともとついていたきれいなシートをセル付き黒に取られたためかもしれません。)
次に車体番号とエンジン番号を見てみますと、数十の番号ずれがありますが、
いずれも140000番台であり、前期型であるとわかりました。
では装備品を見ていきましょう。
まずはスピードメーター。
距離計付きのものですね。
距離計があるということはセル付き前期型の装備であっています。
(後期型も距離計付き、セルなし前期型が距離計なし)。
4052.6kmをさしていますがこれは4052kmなのか14052kmなのか、はたまた24052kmか…。
前輪を見ますと
緑丸のようにバッテリーボックスとエンジンガードが見られることからセル付き車両であるとわかります。
オレンジ丸のようにウインカーの色が濃いのは前期型。(後期型は明るいオレンジ)
黄色丸のようにフロントブレーキのアッセイは黒色。これも前期型の特徴で、あっています。
しかし赤丸のリアブレーキドラム。銀色ですよね、これ後期型のパーツです。
車体右側を見ますと
リアスプロケットの取り付けボルトが3本であり、後期型ホイールであることがわかりますが、
黄色矢印のようにチェーンは後期型DID41ではなく前期型415タイプになっています。
以上から、リアのスプロケット+ホイール+タイヤ+ブレーキドラムが後期型のモノに換えてあると考えられました。
タイヤは廉価タイヤ「ガモンダー」に換えてありました。
次に前を見ていきましょう。
ウインカーは前期型の濃いオレンジ
チョイノリステッカーはセル付き用の配色でした。
不思議なのはコック。
これって負圧式の後期型コックなのです。
しかしエンジン周囲を見てみますと
赤丸のインテークマニホールドに注目。
負圧取り出し穴がありません。
(コックの負圧取り出し口にホースはついていませんでした。)
つまり負圧コックだけれど、負圧入力がない。
これだとON/RESでガソリンが流れず常時コックPRIの位置(負圧関係なくガソリン流出)で使用しなくてはならないのですが、写真のようにコックはRESの位置で固着していました。
PRIの位置で使用していて、長期放置時にはオフの意味をこめてRESにしていたのでしょうか。
(おかげさまでキャブ内部は比較的きれいでした。)
タンクキャップはメインキーで開くので、
(タンク+コック)もしくは(コックのみ)を後期型に変更した様子です。
黄色丸のCDIは大きい方なので前期型タイプでした。
あとは…
キャブのジェット&ジェットニードルが細い方。
リアフェンダー穴小さく取り付け部分のブッシュなし。
フロアボード取り付け部分小さく取り付け部分のブッシュなし。
ヘッドカバー開けて見えるプッシュロッドは細い方。
いずれも前期型の特徴です。
以上からこの車体は
もともと「X5DK3 前期型セル付き キディイエロー」であったものに、
何らかの理由で
シートを他車から拝借(前期型セル付き黒から)。
リアホイール部分を後期型に交換
コック周囲を後期型に交換
したものと考えられました。
たまご号の前オーナーはそれなりに長期維持されていたようですが
最後にはカムの削れから速度低下にいたり廃棄したのでしょうね~
チョイノリに歴史あり。。。