臨時雪だるま作戦の帰路で、ペーターさんがおもむろに
「ジョルノクレア いりますか?」
と御提案。
いるいるいる。
ジョルノクレアは以前に所有していたことがあるが、
あのかわいらしいデザインがすきで、
しかも4ストローク水冷50ccという、いまウチにはないエンジンタイプなので渡りに船。
ありがたくもらうことにした。
ある夜、高砂市まで取りに行く。
いろんなところに不具合があり、欠品多数、錆多数。もちろん不動で
はちまるが大好きな状況だ。
ハイエースに積載して自宅に持って帰り、
これはしばらく楽しめそうだぞ…うっしっし。
CVT機構はケースが開けられたまま放置されていたようで内部に錆が。
これではキックスタートを試すことさえできないね。
バッテリーは完全に干上がっていて電圧ゼロ。もちろんセルは回らないし電装もつかない。
とりあえずCVTケースの蓋を装着するが、このキックは他車種のものが無理やりつけられていてキックすると軸のスプラインがダダダッとずれたりケースに干渉したりする。
やばいね~
使い続けると取り返しのつかない損傷が起こりそうなヨカーンなのだが、
点火するかどうかだけは試させてくれ…と数回キックする
全然火花飛ばない。チーン。
外装を分解して点火にかかわる部分のチェックをしていく。
配線をたどって、カプラー外れや錆で導通が悪くなっているところがないかチェックしていくと、
ラジエーターの奥にまで配線が。
この奥にジェネレーターがあるのだろう。
冷却水を排出してラジエーターを外し、奥を見る。
出てきたジェネレーター部分。
慣れ親しんだものとちょっと違う。
ジェネレーターとモーターが一体になったタイプだ。
さらに分解して内部を確認してもよいのだが、ここは密閉されていたためか非常にきれいで、
接点不良などなさそう。ここは違うかな?
と他部位をチェックすることにした。
次はメインスイッチをチェックする。
底の接点部分を分解したところ
何かの液体で金属板が濡れていた。
メインキーは「キーON」で「点火プラグの電流をアースに落とす配線を切断する」機構なので、
導通してしまうと始動できない。
しっかり拭き取っておく。
で、うちのジョルカブから借りてきたバッテリーをつなげてみると
メインキーONで電装に電流が流れ、プラグ配線のアース断線が確認できた。
メインキーの作動はOKだ。
で、
セルを回してみるとバチバチバチ。火花が飛んだ!
キックでもバチバチバチ 火花OK!!
ガソリンは入っているので、始動できるかどうか、
プラグを取り付けて始動チャレンジするが、全然エンジンはかからない。
キャブレター入口部にパーツクリーナーを噴きながらセルを回すと初爆は確認できた。
キャブの洗浄が必要ですね。
キャブレターを外す
すごく複雑な構造。
エアクリーナー側からみるとスロットルピストンが見える。
比較的きれいだけど…
この上下の管はなんと冷却水が流れる構造。
キャブまで冷やすの?
ダイヤフラム式で吸気負圧の増大でスロットルピストンが上がる仕組み。
加速がソフトだろうね。
ジェットだが、
スローもメインも、そしてチョークも、
ことごとく詰まりまくっていて、何度か洗浄してやっと開通した。
取り付ける。
白いものはオートチョーク。
で黒いサイドの構造物は…なんとアクセル開度の検知センサー。。。
え、
これってインジェクション車でしたっけ→そんなわけない。これはキャブですぞ。
何のためについているのかわからなかったが、
調べてみると、どうやらアクセル開度を検知して、それに合わせて点火時期を調整しているようだ。
すごいなあ。
たしかにドデカイCPUが積んである。
コンピューター制御バイク!
この後、バッテリーを外してみると、キックしても全然火花が飛ばなかった。
つまりジョルノクレアはバッテリーが完全に上がってしまっているとキックしても点火しない
これは多分、CPUが点火時期を制御しているので、
CPUが動かなければ点火さえしないということではないかと思う。
ウチにある他の原付(ジョルカブ・ビーノなどなど)はどれもバッテリーが干上がっていても、
何ならバッテリー外していてもジェネレーターでの機械的な発電で火花が飛び、エンジンがかかるのだが、こういう電子制御バイクってバッテリーが完全アウトになるとエンジンかけられなくなってしまうのだね。
燃費や環境性能はよいのだろうが、緊急時のツブシが効かないのは不利な点だわ。
車のバッテリーから直結してセルを回し、エンジンがかかった。
ふー 一段落だぜ。