キャブレター洗浄。
長期放置車のレストアでは とりあえずキャブ洗浄しとけば再始動することが多い。
ガソリンも長期放置されると劣化してキャブの細い内腔を詰まらせるのでしょう。
ウチのチョイノリは購入時からキャブは絶好調でトラブルはないのだが、洗浄したので分解の様子を今後のためにも掲載しておくことにした。
まずキャブの右側からの写真。
黄色い矢印が吸気の流れで、キャブを通過する間にガソリンとの混合気となる。
1番はフューエルチューブの接続部分でここからキャブに燃料が流入する。
2番はエアベントホースで、キャブの中が一定の大気圧となるように開いている空気穴。
3番はアイドルスクリューでアイドリングの回転数を調整します。右回しで閉めこんでいくと回転数が上がります。
4番はエアスクリュー、アイドリング時のエア量を調整します。しっかり締めた状態から2と3/8回転戻しが標準。
左側からの写真。
黄色いマルはエアベントホースで、これもキャブ内の圧を一定にさせる空気穴
赤丸はドレンボルトとオーバーフロードレンチューブ。
キャブ内にガソリンが入っているか確認したいときやキャブ内のガソリンを排出したいときはこのボルトを緩めるとチューブからガソリンが出てきます。
さらにこの穴はキャブ内でオーバーフローが起こったときの油面にも開口しているので、オーバーフロー時にもこのチューブからガソリンがもれ出てきます。
写真のチューブは劣化して折れているので短いですが、本来はエンジン底部までの長いチューブです。
気をつけなくてはならないのは、このドレンボルト、締め込みが甘いとチョイノリの振動で勝手に外れて取れることがあります(はちまる経験済み ネット上でも同事例報告あり)。走行中に急にガス欠症状となり、道路上にガソリンをタラタラ撒くということになるので要注意です。
ちなみにはちまるは噛んでいたガムをドレンにつめて応急処置をしました。
キャブの底面です。キャブを開けるには赤丸の4個のボルトを外します。
黄色マルはドレンボルトとドレンチューブ
はい、開きました。
黄色いマルがメインジェットで主にアクセルを開けた走行時のガソリン供給に関与する穴です。
赤いマルはパイロットジェットで主にアイドリング時のガソリン供給に関与します
赤矢印で示している黒い樹脂性製品はフロートで、キャブ内のガソリン池に浮いて存在し、油面が高くなることで上昇、黄色矢印の裏側のガソリン供給口を閉めて一定の油面を保つようになっています。
赤丸のガソリン供給口を10mmメガネレンチで外します。ワッシャがかませてあるのでなくさないように注意してください。
黄色マルのアイドル・エア スクリューも外しています。プラス・マイナスドライバーで簡単に外せますがスプリングやパッキンゴムが付いていたりするので、なくさないように慎重に外してください。
ガソリン供給口を外したところです。赤線で結んである穴に装着されています。
黒いフロートがあがると、赤矢印で示した出っ張りを押し込んで内部の栓が閉じ、ガソリン供給が止まる仕掛けです・
本来ならクリップを外して、内部の栓に段付き磨耗などないか確認しないといけないところですが、見るからに弾け飛んで紛失しそうなパーツだったことと、今のところオーバーフローなどの不具合もなかったのでこれ以上の分解はしませんでした。
黄色いマルはエアベントの開口部。
ここまで分解しました。
黄色丸はパイロットジェット、二本が縦列に挿入されています
赤丸はメインジェットとニードルジェット。これも二本が縦列に挿入されています。
いずれのジェットも内部の小さい穴が大事なパーツです。クリーナーで吹いたりして洗浄しますが、決して内部を金属針などでガリガリしないこと。デリケートパーツです。脱着も精密ドライバーですべきです。
青丸はエアスクリュー、スプリングの先にパッキンがあるのでなくさないように
緑丸はアイドルスクリュー、こちらはパッキンは出てきません。スプリングのみ。
紫丸はドレンボルトです。
分解後はエンジンコンディショナーに漬けたり、キャブクリーナーを吹いたりして各穴を通して洗浄しましょう。
組むときにはガスケットを新品にするほうが良いようですが、はちまるは例のごとくすべて再利用です。
圧のかかる所ではないので、よほど劣化していない限りまず問題ありません。締め付けすぎによるボルト破損のほうこそ気をつけましょう。
組んだらエンジンに装着します。
スロットルバルブを入れていきますが、赤丸で示した切り欠きが右側に来るようにしましょう。
左側にも切り欠きがありますが、左側は下から上まで一本通っています。
反対方向に入れるとキャブ内部の突起にあたってアクセル全開状態のまま組まれることになってしまいます。
キャブは穴だらけの精密パーツなので、これでもお見せできていないところが多々あります。
小さいパーツが多いのでなくさないように洗浄しましょう。後期型はいくらか構造に違いがあるらしいですが確認できていません。
キャブのセッティング方法ですが
まずエアスクリューをしっかり締めた状態から2と3/8回転戻しとして、エンジンを始動
その後アイドルスクリューでよいアイドリング回転数に調整する。
これ以上のことは知りません。
セッティングに凝りだすと、とんでもないことになるというもっぱらのウワサなので、こんな所でオッケーとしてます。