チョイノリエンジン シリンダーの分析③

次はシリンダー内面のメッキだ
どうやらウチのチョイノリシリンダーはリョウキチにぶった切られたようである。
断面の写真が届いた。

14.5倍の拡大写真だ。
上面がメッキ層なのでしょうね、黒い空気層が見られる。
更なる拡大写真では

725倍。アルミにめっき層がコートされているのがよくわかります。


以下、リョウキチからの文
アルミ層よりシリンダー内面にかけて、Ni分布が多い事から、性能はニカジルめっきと酷似するものである。ただし、Ni中にPが散布されることが確認された。SUZUKI特許であるNCCコート(熱が加わる前のHV:550程度)というめっきであると判断できた。ニカジルめっきと異なる点は、熱が加わるとP結晶が硬化(熱が加わるとHV:800程度)するという特徴をもつ。慣らし運転後にピストン摺動面が安定するという考えから生まれた技術である。
また、めっき層中に空間が見られることから、二段階のめっき処理を行っていると推測する。初段階目(10μm)のめっき層にはP結晶がみられなく、通常のニカジルめっきを行い、連続でニカジル+リンめっき層に浸漬したものと考える。


ニカジルメッキ:アルミニウム合金の摺動性能を飛躍的に向上させるニッケルー炭化ケイ素の複合電解めっき被膜
NCC処理:複合電解Ni-P合金めっき
 
めっき厚は78.7μmらしい。
めっきの素材も重要なのですねえ、熱で硬度が変わるめっきがあるなんて知らなかったよ。
 
次に、クランクシャフトのベアリングについて。

これがベアリング、


以下、リョウキチからの文
世界最高峰のベアリングメーカーの「NTN」と品番の刻印があった。ただし、ベアリング外輪には黒ずみが目視できることからイオン窒化処理が施されていると考えられる。この処理によりシリンダ/クランクケース部を締め付けた後の圧縮により、外輪の強度が上がり、柔らかいシリンダ/クランクケース部に食い込み完全固定を目的とした作りと思われる。ただし、ベアリング外形にスジが目視されている。外輪はクランクシャフト回転時には滑っている。


へー 目視だけでここまで考察するのか。すごいね。
でも完全固定を目的としていたのに滑っちゃってるなんて、チョイノリらしいというか、かわいいではないですか(^^)
そして最後にまとめとして下記のように書かれていた。


以下、リョウキチからの文
安価なチョイノリであるが、心臓部であるエンジンは大きく手は抜いていない作りと考えられる。
NCCコートについて、Pが熱硬化する以前に、チョイノリにとって摩耗が見られることからチョイノリに最適なめっきではないと判断する。より硬度、摩耗性に優れたクロムメッキ(HV:1000程度)仕上げにする方がシリンダーの摩耗は少ないと思われる。また、めっき層中の空間が見られる事から密着力が弱く、シリンダ内面を追加メンテナンスおよび改造する場合には注意を要する。
ベアリングについて、滑りが確認されていることから、ベアリングエネルギーのロスがあるため、シリンダ/クランクケース部のベアリング保持の円内径公差を厳しくする必要がある(1μm単位のシビアな寸法)。


シリンダーのクロスハッチの消失と縦線形成は、シリンダー内面めっきの耐磨耗性が低いということなのですねぇ
 
さすがプロです。
素人では決して見れないような画像や、トウテイ思いつかないような深い考察でした!!
この分析は、普通に依頼するとウン十万円もするものらしい。
貴重なデーターありがとう!!
 

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非公開コメント

No title

写真まで載せて頂きありがとうございます
カム交換時についでに工業用の精度高いベアリングを打ち込む予定なので、
ベアリングが滑っているとの事で詳細を知りたかったのです
数字の後に英字が無いって事は専用品なのかもしれませんね
(下手すると精度をちょっと落とした安価タイプとか)
もしくは両面にシールが無い開放型かも…?

No title

>ふもももさん
ベアリングのナンバーはその通りでしたよ
写真も載せましたので、また見といてくださいね
もしかして交換ですか???

No title

すみません、出来ましたらベアリングの刻印の詳細を教えていただけないでしょうか?
多分カムギヤ側が6203、反対側が6004だと思うのですが
それ以外にも読み取れたら教えてください

No title

ふもももさん
シリンダー内面めっきまで手がけていたら、お金がいくらあっても足らないですよ(^^)
基本的に「清貧整備」を心がけている私ですが、最近はチョイノリ愛から出費のスピードが加速しているようです
気をつけねば~

No title

NCCコートということは、新車の慣らし運転は重要ってことですね
(硬化するのにどの位かかるのかは不明ですが)
クロムメッキにするとピストンリングの摩耗が気になりますが、
交換できるパーツの摩耗なら断然その方が良いですね
近々、はちまるさんのチョイノリのシリンダにクロムメッキされたりして(笑)
ベアリングの空転はベアリングにもダメージがあるなんて話も聞きます
ベアリング入れ替えで直れば手っ取り早いですが、
世界最高峰だけに、問題はクランクの受けのほうでしょうか…

No title

よっしーさん はじめまして
ようこそマイブログ(^^)。
自分は内燃機関には全く関係のないサービス業ですが
リョウキチはプロ技術者です。
チョイノリエンジンの話をしたら興味をもって食いついてきて、ぶった切っても分析したろうといいだしました。
エンジンに対する興味が一般人とは違うなあと思いました。こんな奴ぁ周りにいなかったので新鮮です。
技術者っていう人種みたいなモンなんですかね。

No title

さいばばさん
チョイノリはパーツ点数削減された安価バイクですが、
要らないものを外しても、要るものはしっかり残した
と評価できそうですね
こういう細かいところでも手を抜かないというSUZUKIの姿勢がうれしいです。

No title

shoさん こんにちは
チョイノリもアルミのシリンダーみたいです。
軽量化できるのでアルミニウムエンジンというのは結構一般的なものらしいですよ。
駆動系の割れを修正しようと溶接したら全然くっつかなくて
鉄でもステンレスでもないなあと思っていたんですけど
アルミだったんですね。

No title

はじめまして
私も仕事上技術者である立場から、興味深く拝見させていただきました。
ここまで詳しく調べた方はないと思います。
貴重な情報ありがとうございました。
そして、お連れの方にも感謝感謝です。

No title

スズキは、安価なチョイノリといえど、
心臓部はしっかり仕上げてるんですね。
いい仕事してますね(^-^)

No title

スズキの メッキシリンダーは、オールアルミで 軽量化で いいとききます。
確か 国内向けは 30年チョイ前かな GT100かな GP100だったかな メッキシリンダーを のせていたような。
RE-5は、メッツキで 有名でしたね。
ピストンの 小さい傷は、年寄りが オイルが 切れないように あるから ピカピカに するなと 言ってました。
思うに ゾイルなど 添加剤は、どうなんだろう?
傷を 埋めて 滑りが よくなると レースなどは いいが 一般の 使用で 耐久性は?
私は 添加剤は、使いません・・・買えないかな(笑)。
私の 持ってる ヤマハは、ベアリングは、KOYOが、付いてました。
昨日 KOYOに ベアリングの ことで 電話問い合わせを しました。
いろいろ 教えてくれました。
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