チョイノリのギアオイルとファイナルギア分解図
「チョイノリはオイル交換を頻繁に行う方がよろしい」とよく言われるが、
このオイルというのはエンジンオイルのことだ。
エンジンオイルと言うのはクランク室に溜まっていて、クランクの回転によってヘッド部分まで循環されているオイルなのだが、チョイノリにはこのエンジンオイル以外にもう一種類オイルを内蔵している。
それがギアオイル。
ギアオイルはファイナルギア空間に存在していて、交換についてはそう気にせずともよいようだが、
一応交換方法を陥りやすいミスも含めて解説してみることにする。
これがファイナルギアと言われる部位、
プーリーからクラッチに伝導された駆動力が最終的にチェーンへ伝えられる部分だ。
黄色い矢印のボルトが12mmのボルトで、これがドレンボルトと勘違いされやすいが、これはオイル注入口。
本当のドレンボルトは赤矢印で示された10mmのボルトだ、よく見ると矢印が刻印されているのがわかる。
ドレンボルトだけ外してもオイルは出にくいので、注入口ボルトも外すことでオイルが出てくる。
圧縮・燃焼には全く関わらない空間であるためオイルの劣化は軽度であり、まず交換しなくても大丈夫だと思う。
オイルを排出した後はドレンボルトを装着してオイル注入口からギアオイルを注入する。
ここで注意してもらいたいのは、エンジンを車載状態と同じ傾きになるように立てた状態で
写真のようにオイル注しでオイルを注入すること。オイルがあふれ出してきたところで、だいたいのオイルの規定量と思ってもらってよい。
注入口が小さいためエンジンを寝かせて上から下へオイルを垂らして入れたくなる心情は大いに理解できるのだが、そうするとオイル規定量がわからず、多く入れてしまうはめになってしまします。
オイル量は
オイル交換時 25ml
分解時 30ml
とかなり少ない。ドレンボルトと注入口の距離を見てもらったら、ギア室に占めるオイル量の少なさがわかると思う。
こののち注入口ボルトも締めるが、ドレンボルトも注入口ボルトもワッシャがかませてあるので忘れずに装着しましょう。
オイル交換時には新品ワッシャに換えるほうがよいようだが、はちまるは例のごとく再利用している。
圧縮にかかわる部位ではないので、まずオイル漏れすることはないと思う。
オイル過量になった場合
オイルを入れすぎた場合、エンジンを立てたときに漏れてくるらしい。
漏れだす部位についてはファイナルギア室の分解図で解説してみる。
ファイナルギア室を開けたところ。10mmのボルト5本を外すことで開けることができる。
この内部にギアオイルが入っているのだが、入れすぎた場合、赤矢印で示している部分にある空気穴から外に漏れ出してしまう。
オイルの量が規定量だとギア室の下1/3~1/4程度(もっと低いか…)の油面なので、チョイノリを逆さにしない限り赤矢印の部分にオイルが到達することはないし、何やら迷路チックになっているのでたとえ漏れたとしても少量のはず。
漏れだす先は駆動系ケースのクラッチ存在部位。写真の赤矢印部分です。
ここにはプーリー・Vベルト・クラッチといった摩擦が重要な機構が存在するのでオイル漏れは致命的になるので注意だ。
チョイノリをいじって楽しみたい方、ギアオイル交換もやってみてはどうでしょう。
余談。
KTC工具セットを買ったのだが、以前から使用しているホームセンター工具も全然使えるし、こちらの方が慣れているので、このたび二軍として工具掛けを制作して整理することにした。
木工ってあまりしないのだけれど、木って金属に比べるとはるかに簡単に切ったり貼ったりできるので楽でいいね。