クラッチ分解してみた no1
つい最近、北海道のチョイノリスト 「まもまも」さんから以下のようなコメントをいただきました
通称トルクカムの動きが悪く最大変速しないしトルクカム部にグリスのグもなく多少焼けていました、これだとグリス切れにより焼けて最大変速しない上キックダウンもまともにしなくなります
どのスクーターにもグリスが入っていますしなぜチョイノリはないのかわかりません・・コスト削減??
私はトルクカムのピン(2本)の所にたっぷりグリスを入れトルクカムの動きがスムーズになり最高速までスムーズになり、キックダウンもスムーズなりましたよ
はちまるは以前から自称していますように、整備に関しては素人でクラッチなんか分解したことがなく
チョイノリのクラッチも分解せぬままブラックボックスとなっていました。
しかしながら、通常のスクーターにはあるはずのグリスがチョイノリにないことに興味もあり、このたび分解に着手しました。
はい、これがチョイノリのクラッチです、
これを分解するには黄色矢印で示しているナットを外さなくてはなりません。しかしこのナットは34mmという中途半端なサイズでした
通常、メガネレンチのサイズは36mmと32mmのコンビになっていて34mmは飛ばされていますので
はちまるは緩める工具を持ち合わせていませんでした。
そこでクラッチを持って、近所の工具店ストレートに工具を買いに行きました。
店員にナットを外す工具について相談したところ、
ナット装着部が凹んでいるため、平盤のクラッチナットレンチ(41mm&34mm)は嵌められず、
かといってソケットはナットとの接触部が内側に切れ込んでいるので、こんなに薄いナットだと舐めてしまう
との返事…
じゃあどうやって外すんだよって、考えていると
クラッチスプリングコンプレッションという器具でクラッチを締め上げるとナットが凹みから上方向にぐぐっと持ちあがって、平盤のクラッチナットレンチ(41mm&34mm)が嵌められるようになるのではないかという結論になり
(実は締めあげてもナットは持ちあがりません、完全に嘘情報…)
クラッチスプリングコンプレッション と クラッチナットレンチを購入しました
ぐぐぐっ
締めあげますが、ナットは出てきません。
当たり前です。クラッチは山型のフェイスディスクが動く機構であってクラッチシューの付いている方のパーツは動かないんです。
そしてクラッチスプリングコンプレッションはナットを外した時にバネで跳ね飛ばないようにするための固定具なのです。
仕方なく少しだけ嵌る平盤のクラッチナットレンチを手で固定しながら写真のように地面にたたきつけて緩めてみました。
不完全な噛みこみにも関わらず、運のよいことに舐めることもなく外せました。
整備マニュアル上はソケットレンチでの取り外しが記載されています。
ただ工具屋の言うように市販のソケットレンチは内側に切れ込んだ形状になっているため、舐め易い気がします
純正工具を買うべきかもしれません。
外れました。ナットを外すとバネの力でパーツが飛びますので、クラッチスプリングコンプレッションがない方は、ナットを完全に外す時には足で踏みつけて固定しながら外しましょう。
正直クラッチスプリングコンプレッションはなくてもバラして組むことができます。
手に持っている二枚のフェイス、下がフェイス・フィクストドリブンで上がフェイス・ムーバブルドリブンです。
ムーバブルの動きを統制しているピンが見えます。
ここにかけてあったカバー(シート)を外しています、左に置いてあるものがそうです。
良く見ると
内側には ピンの動きの跡を示すような焼け跡があります。
そして「まもまも」さんのいうとおり、グリスのグの字もありません
整備マニュアル上もグリス湿塗の指示が記載されていないですし、はちまるがバラした3個のクラッチ、いずれもグリスがなかったことから、
「チョイノリのクラッチにはグリスが塗られていない」ようです。
はちまるはチョイノリ以外のクラッチをばらした経験がないのですが、ネット上で見かける他車種のクラッチ分解写真ではグリスの漏れを防ぐようなゴムシールが存在しているようです。
これはパーツ削減のための処置でしょうか?
「まもまも」さんから、ここにグリスを塗り込むことで動きがスムーズになるとの報告がありましたので
いずれ、はちまるも試してみることにします(未施行、改めて記事を書きます)
心配なのはゴムシールがないことでグリスがもれてフェイスに付着してVベルトがすべりゃあしないか?という点ですが、
おまえは全国のチョイノリスト達のための実験台だろうという声に導かれて、、、後日実施予定。
さて分解を続けましょう。
ペンチでピンは簡単に抜けます。ピンにはローラーが装着されていて、スムーズに回るように設計されているようです。
フェイスを抜いて二枚に分けます
ムーバブルフェイスの動きはスムーズでした。