チョイノリ エンジン組み方①ピストン・クランク
全分解したウチのチョイノリのZ401エンジンですが、順を追って組み方を記載していきたいと思います。
まずはピストンを完成させて、クランクアッセイに装着するまでです
組むのはこれだけのパーツです。
ピストンに装着するピストンリングは全部で5個あります。エンジンオーバーホールの場合にはリングを新品にされるほうが好ましいですが、焼きつきがなければ再利用でも問題なく動きます。
今回はピストンリングとサークリップを新品購入してみました
12140-22G00 リングセット ピストン 1450円
09381-10006 サークリップ @70円×2 140円
09381-10006 サークリップ @70円×2 140円
ピストンは傷が全くないので再利用です。ピストンには「22G0」と「ART」の刻印があります。
溝は3本入っていて、
一番上に「トップリング」
二番目に「セカンドリング」
三番目に「オイルリング」(=サイドリング上+スペーサー+サイドリング下)
が装着されます。
新品のリングには刻印が入っていて、
トップリングにはOと書いてあり、赤い着色が、
セカンドリングにはRと書いてあり、緑色の着色があります
いずれも刻印側が上になるように装着します。
(再利用する場合、この刻印はまず確実に消えています、なので外すときに上下方向とどのリングかわかるように記録しておきましょう)
さてはめていきます
はめる順番は
1、スペーサー
2、サイドリング下
3、サイドリング上
4、セカンドリング
5、トップリング
の順です。
それぞれのリングには切り欠きがあり、その方向をずらして装着しなくてはなりません。
写真のようにピストンのEX側を示す凹みを12時方向にして、各リングを
トップリング 6時方向
セカンドリング 10時方向
サイドリング上 2時方向
スペーサー 6時方向
サイドリング下 2時方向
に向けて装着します。
装着自体はそれほど困難ではありません。あまり無理に開こうとするとリングが割れるので注意しましょう。
この後の作業で確実にずれてしまうので、最後にもう一度位置を確認します。
次にピストンにサークリップを装着します。装着前にサークリップに変形がないことをよく確認しましょう。
今回は新品を使用しています。
赤矢印で示すように、取り付けやすいように一部に凹みがあるので、ここにサークリップの切り欠きがくるようにはめていきます。内部の溝にしっかり嵌めます。
はめ込んだ後は切り欠きを凹みからずらします。黄色矢印のあたりに切り欠きがくるようにぐるっと回します。
(注:サークリップが脱落するとピストンとエンジンに重大な損傷をきたします。ここの装着は確実にできているようしっかり確認すること。)
一個だけ装着して、反対側のサークリップは、コネクティングロッドにピストンを装着した後に嵌めます。
次に、ピストンをクランクのコネクティングロッドに装着してきますが、方向を確認しておきましょう。
黄色丸のように排気側が下にくるような位置(実際の車両積載での位置)で、赤丸のようにカム回転用歯車が車体右になるような位置関係です。
ここを反対に嵌めちゃうとすべてやり直しですので注意。
黄色丸の方にサークリップが嵌めてあります。ですのでその反対方向から赤矢印のようにピストンピンを挿入します。ピストンピンにはエンジンオイルを少量塗っておきます。
挿入初期は若干硬い印象がありますが、基本的に指の力だけで挿入できます。
ここがあまりに硬かったり、傷が付いているようなら焼きつき経験エンジンの可能性があります。ピンを交換しましょう。
ピストンピン挿入後は反対側もサークリップを嵌めて完了です。
こちらのサークリップも切り欠きの位置を回転させて、しっかりはまっていることを確認しましょう。
これで完成です。
ピストンがコネクティングロッドに対してスムーズに動くでしょうか。通常はコネクティングロッドを傾けるだけで重力でピストンがカタカタ動きます。
おまけ
作業中のはちまる書斎。
さらにはこんなものが…