回転数と点火タイミング(故障CDI診断法)
今回はちょっと苦手な電気系統。CDIについてです。
以前、ウチのチョイノリが調子悪くなり、いろいろ試行錯誤した挙句にCDIを交換することで改善したことがあった。
この時はプラグコードをねじ込むことでよくなったのだが
実はそのあとしばらくしてまた調子悪くなり、中古CDIを買って交換した。
また、もう一台のチョイノリもCDIが原因で速度が出なくなり、結局、不良CDIが2個になってしまった。
原因精査をしようにも、CDIは非分解のブラックボックスでよくわからない。
交換することで改善したので原因はCDIでしょ、ということなのだが、
なにが悪いのか、また今後同じように損傷した場合も交換しないと診断できないということじゃあ具合が悪いので、何か方法を考えよう……と
KSK@ばすさんに相談した(結局他力本願な自分だ)。
すると、旧車の整備には欠かせない「タイミングライト」というドラえもんの未来道具みたいな名前の器具と
CDIの働きなどを教えてもらった。
KSK@ばすさんのブログでもチョイノリの点火時期確認の記事を書いていただいた
この記事の「バトンタッチ」という言葉とともに、後は自分でせい!と課題をいただいたので、
同じように点火タイミングをチェックしようと、機材を集めることにした。
まずは、回転数がどのくらいになっているのか調べるのに、思いつくのはタコメーターだが、
これは違うチョイノリを調べるときに配線を繋ぎ直さなくてはならないし、セルなしチョイノリでは正確に動作しているか不安。そして何より高価!なので、こんなものを買った。
非接触レーザー式デジタルタコメーター DT2234C+ という商品だ
これはアマゾンで2000円で売っている。
電池式で配線は全く必要ない。使い方は…
反射シールをジェネレーターに貼り付けて、ここにレーザーを当てて反射してくるレーザー光の頻度から回転数を算出するのだ。
こんな感じで使う。
これなら、いろんなチョイノリ(うちには4台あるので…)の回転数も配線加工などの労力なしで測定できる。
(上に写っている中華タコメーターは二倍量を表示しているが、それでも2370×2=4740とはずれた表示ですね、ここらへん精度が低いと言わざるを得ない)
(ダンボール配管は室内でエンジンかけたときに排気ガスを室外へ出すダクトです、気にしないでね)
そして次に買ったのが
教えてもらったタイミングライトという機械だ
想像よりでかかった。
こちらもアマゾンで2350円という安さだった。
タイミングライトはいろんな会社からいろんな種類が出ているが、いっちばん安いやつで全然大丈夫。
KSK@ばすさんも言われているが、バッテリー式などバッテリーにつなぐ手間と配線による行動制限が煩わしくなるだけ、電池式の最安モノで充分だ。
さて、使い方ですが、まずは単1電池を2個入れます。
上のボタンが点火タイミングに合せた光の照射で下のボタンがただのライトです。
センサーをグイっと開けて
プラグコードに挟むだけ、
結構グスグスで挟んでいるというより引っかけているだけです。
信号がちゃんと取れないときは、一番プラグキャップ側に寄せて、プラグキャップに接触する位置にすると信号が取れるようです。
この状態で測定準備完了。
回るジェネレーターに向けて、上のボタンを押すとプラグの点火に同期した間欠光が照射されます。
そのため、回転するジェネレーターの点火瞬間の位置が静止画のように視覚されるのです。
原理はわかっていましたが、実際やってみると「おおーー」っと感動します。
本当に止まっているように見えるのですよ、これ
この写真にもありますが、点火タイミングの位置は圧縮上死点より少々前になっています。
(このジェネレーターは左回転です)
これは点火シグナル→スパーク→燃焼といったタイムラグがあるため、早めにシグナルが送られるためです。
回転数が高くなると、このタイムラグの間にジェネレーターが回転する角度が大きくなっていくので
自動進角機能を有する車体は回転数の高まりに応じて点火位置がより圧縮上死点から離れていきます。
さあ準備は整いました
調べてみよう!!
2個あった故障CDIはどちらも同じ測定結果でした。
ということで、
1、チョイノリは固定進角で回転数が変化しても点火タイミングは一定していた
2、前期CDI・後期CDIはどちらも約9500rpmまで回転し、性能に違いはないようだった
3、故障CDIは約6500rpmで点火がバラついていた、このため6500rpm以上の回転が得られないようだ
4、タイミングライトがあればCDIの故障診断ができる
これだけわかりました。
ただ、なぜこんな故障が起こったのか、そしてどうしたらCDIを直せるのかはわかりません。
ちなみに、最高速度55km/hでの回転数が5000rpmの13T-25T巡航チョイノリは、回転数が6500rpmまで上がらないので、この故障CDIでも全く問題なく走ります。
高回転まで回す純正11T-36Tでは30km/hでボコボコいって速度がでなくなりました。
CDI不具合が疑われる方は、タイミングライトで診断してみてはいかがでしょうか。
次の検討事項。
チョイノリは固定進角でした…
では、進角調整機能の付いたCDIを搭載したら、
1、現在の回転数でも発生出力が上がる可能性はあるのか?
2、もっと高回転まで回るのか?
という疑問に繋がります。
チョイノリに搭載可能な進角調整機能付きCDIって手に入るのでしょうか?社外品?他車CDI流用?
悲しいかな知識ないのでわかりませんが、これなら挑戦の価値あるよっていうパーツがあったら教えてくださいませ
2012.12.02追記
まめぞうさんのコメントで、アース不良でCDIを壊す可能性があるとのこと。そういえばエンジン乗せ換えの折にアース線つなぎ忘れてキックしたことも何度かあり…これが原因だったのか~
(TдT)結局原因は自分じゃん。
2012.12.03追記
動画のチェーンの挙動を見てみると、正常CDIではまっすぐ回転していますが、故障CDIでは加減速が起こるのでチェーンが暴れています。タコメーターがない、またタイミングライトがないという方は、高回転でのチェーンの挙動を見るだけである程度診断可能かもしれません。