チョークが効かない!?(キャブのチョーク経路)
うちの林道2号機は随分と調子よく走っていたのだけれど、寒くなってから調子悪くなってしまった。
チョークを引かずに始動させようとすると単発の爆発はあるもののかからない。エンジン冷えてるからね…と、
チョークを引くが、引くと単発の爆発さえしなくなり、これじゃあまったくかからん。
結局チョークなしでアクセルをあおりながらなんとか始動させて、エンジンが温まるまではアイドルスクリュを締めこんで対応していた。エンジンが温まってからは調子よく走る。
「チョークが効かない」
寒冷時の始動に難があるので、チョークの燃料通り道を再確認することにした。
チョークというのは窒息という意味で、本来はキャブの空気の通り道を塞いで吸気を窒息させて混合気の燃料割合を増やす機構なのだが、
チョイノリを含む多くのバイクの場合は空気を減らすのではなくて燃料を増やすべく別経路が追加されている。
まずはキャブのエアクリ側(空気流入側)から見てみよう。
この写真の赤丸と水色丸はメインジェットとパイロットジェットへの開口部。
オレンジ丸がチョーク経路への開口部だ。
ここから空気が入って行ってジェットからガソリンを吸い出す。
チョーク経路を見てみよう。
通常はAの穴にはまりこんでいるバルブが穴を塞いでいるので、この経路に空気は入ってこない。
チョークを引くと、バルブが上がってAが開き、先ほどの穴Bから空気が入ってくる。
空気は矢印の方向に進み、Aの方へ流れるが、流速が陰圧を生みCから燃料を吸い上げて混合気となる
これが燃料を吸い上げるCの穴。
これがチョークバルブが入っているAの穴。
で、Aのほうに流れてきた混合気は
キャブレターのエンジン側の側面の開口部Dに開いていて、ここからエンジンへと流れていく。
チョークを引くと、通常の経路ではなく、この経路を伝って燃料の濃い混合気が供給されるために寒冷時でも始動できるということ。
チョークが効かない林道2号機はこの経路につまりがあるのかと散々清掃したのだけれど、全くよくならない
むむむ…
悩みながら何度目かの洗浄時。
開けたキャブを眺めていて気づいた。
オレンジ丸のチョーク用ジェットって、キャブ下半分の水色のバスタブに浸かっているわけではなく、
オレンジ丸の穴に浸かっているのだった。
あらら
で、穴をよく見ると詰まっているではないですか!こりゃいかん。
キャブのバスタブの水色穴から燃料が入り、オレンジの窪みにガソリンが入ってくるはずが、詰まっていたためにガソリンが来ていなかったのでチョークが効かなかったのでした。