聖地巡礼旅2014 さいばばさん機体のファイナルギア
聖地巡礼作戦2014でさいばばさんの機体のファイナルギアがいかれた。
原因は最後のドライブシャフトの軸受けベアリングが破損したことによるものだが、
損傷パーツを貰い受けてきたので、検証したいと思う。
これが貰い受けてきたパーツ。
ファイナルギアボックスは現地で開けたのだが、内部のパーツは紛失せず全部持って帰ってきているはずである。
よく見ますと
内部の汚れがひどい。
赤丸で示すような黒い球があるが、これは金属粉が汚れとともに固まったもので
手でつぶすと粘土状に伸びる。
これは洗浄前なのだが、見てのとおりオイルがほとんど見られない。
ケースを開けた瞬間もオイルが漏れ出てくることはなくドロっとした金属カスのようなものがほとんどであった。
洗浄してみると洗油がマーブル模様になっている。
金属粉が非常に多いのがわかる。
軸受けが損傷して、いびつな状態でギアが回ったので金属が削れたのだろう。
洗浄後の各パーツ。
球は損傷ベアリングの鋼球だ。
各パーツを見ていこう
まずはクラッチからの動力をファイナルギア内に入力するシャフト。
便宜上、第一シャフトと呼称することにする。
明らかな損傷はなさそうだ
ファイナルギアの正常な内部パーツはこちらを参照してもらうとして、
このシャフトの右端に存在するはずのワッシャが見当たらなかった。
次に動力が伝わるドライブシャフト、
便宜上、こちらは第二シャフトと呼称する。
このシャフトのCVTケース側の軸受けは元からベアリングがない。
シャフトが暴れたためかかなりの傷が見受けられる。
ここにもワッシャがあるはずなのだが、見当たらない。破壊された破片さえ見られなかった。
第二シャフトのドライブスプロケット側、
赤丸のようにベアリングの内輪が残っている。
このベアリング内輪を外す。
このベアリングとシャフトの間にもワッシャがあるはずなのだが、ない…
合計3箇所のワッシャが消失していた。
このシャフトが貫通してケース外に出る穴を見てみよう。
ベアリング外輪が残っている、NTNの文字が物悲しい。
内輪と外輪の間に鋼球が内蔵されていたのだが、
それが破壊とともに四散して外界にばらまかれたようで、いくらも残っていない
残っていたのはこんなもん…
あとは藤枝市の路上にばらまかれていると思う。
はめてみよう
全周に鋼球が入っていたはずなのですけど
全然足りないね。下方に写っている第一シャフトのシャフトベアリングには問題なかった。
この損傷ベアリングの外側にはオイルシールがはまっているが
脱落していた。
ファイナルギアケースはさいばばさんが分解整備をした既往があるとのことで、
純正から変化している可能性がある。
以上の観察結果から
1、ワッシャ3枚を入れ忘れた?
2、オイルを入れ忘れた?
以上の可能性が考えられ、内部のがたつきや高温化でベアリングが損傷したのではなかろうか?
と思うが推測でしかない。
3年前、この旅を企画したきっかけは
’長距離を走ったら、チョイノリなんてすぐ壊れる’
という意見に真っ向勝負し、ちゃんと整備をしていれば長距離旅も問題なくできるのだということを世間に証明したかったからなのだが、現在までに自走不可能なまでに損傷した例が3例ある
1、まめぞう父さんのVベルトぶっちぎれ(2013)
2、チョイサンタさんのバルブ閉鎖不良(2014)
3、さいばばさんファイナルギア損傷(2014)
今回はたまたまアルファード母艦で参加していたため、さいばばさんの救援ができた。
まめぞう父さんも、チョイサンタさんも素晴らしい機転で交通機関で帰宅して車でピックアップして聖地到着された。
しかし、今後はどうだろう。
はちまるがチョイノリ参加していて救援できなかったら?
積載できる車を持っていない人がトラブったらどうする?
やはりチョイノリは長距離旅での損傷が避けられないものだろうか。
一応、自分なりに今回のトラブルから、今後の対策を考えてみた。
1、
まめぞう父さんの例はプーリーの外側フェイスの方を溶接工作されていたので、純正とは違う状況があったとみられる。いずれにしても動力にかかわる重要なベルトなので、旅の前に太さの確認と損傷ないかチェックしておくことにしよう。
いったん損傷してしまうと、専用工具が必要で、しかもチョイノリ用の特殊な長さのVベルトなので、復帰は難しい
2、
燃焼かす、カーボンによるバルブ閉鎖不良ならヘッドの排気口からエンジンコンディショナー、なければパーツクリーナーなどで吹き飛ばす対応が効くかもしれない。
残念ながら事前に予防できるものではないので、誰にでも起こり得ると言わざるを得ない。
3、
原因は定かではないが、組み方、オイルの入れ忘れなら、それがないように、
あと、旅に前に異音があったとのことなので、こういう不具合はおいておかず、解決してから旅に臨むようにする
くらいでしょうか
やはり自分は予備エンジン1基と工具満載でトランポ参加するべきなのかなあ。
2014は聖地巡礼の今後を考えさせられる旅でした。
ちなみに…
来年のこの時期は