ホイール ベアリング打ち込み
今、ベアリングが熱い!
なんてね。
前回の記事でベアリングの取り付けについて御意見をいろいろお伺いし、
それを総合して、まあ良かれと思う方法で打ち込んだので紹介してみる。
もしかしたら、今後訂正があるかもしれないが、とりあえずこんな方法でどうだろう。
ベアリングは6200というサイズ。
両サイドにシールがされている6200ZZというものもあるのだが、
はちまるは純正と同じノンシールの6200を用意した。
まずは後輪から進めていく。
サービスマニュアルによるとベアリングは前輪後輪ともに車体右側(ブレーキアッセイの付ける側)、
ライトベアリングから入れるらしい。
写真のようにベアリングには十分グリスを塗り込んでおく。6200 NTNと刻印している側が外になるように取りつけ面に平行に設置し、木などをあてがってハンマーで打ち込んでいく。
ここはホイールの枠にぴったりのところまで入れる、ツライチだ。
次に逆側、スプロケ側に行き、スペーサーを入れる。
後輪のスペーサーには左右の方向性があるので間違わないようにしよう。
赤丸のツバの形状と、入れる先端側の黄色丸が長く、スプロケ側になる青丸が短いほうになるようにする。
完全に挿入してみて、手で触ってみてほしい、
赤丸のスペーサーのてっぺんが、黄色矢印で示したベアリングの底打ち段差よりも出っ張っているのがわかるかと思う。
この形状のおかげで、
極端な図を書いてみたが、
最後までベアリングを打ち込むとBのようにベアリング内輪がスペーサーに押し付けられて外輪とのゆがみが出てしまい内輪の回転が渋くなってしまう。こうなると手でまわらないほどなので、容易にわかると思う。
Aのようにスペーサーとの間がぴったりくっ付く位置からやや開く位置でベアリングの打ち込みを止めるのが理想だと思う。
ベアリングを乗せて…
スペーサーが斜めにならないよう、またベアリングがまっすぐに挿入できるように
赤丸のようにアクスルシャフトを通しておいて、
その状態のまま
21mmのソケットをあてがって少しずつ打ち込んでいく。
ここで注意。奥まで打ち込まないこと!
打ち込みの程度に注意する。
ウチにある、ベアリングがスルスル回る正常なホイールで打ち込みの深さを測ってみると
ベアリングの深さは5.8mmくらいなのだ
(測定数値デジタル画面が撮影されていないが、このデプスゲージの測定で約5.8mmだった)
なので
1、赤丸の深さが5.70~5.80になるように。
2、ライトで照らしながら黄色矢印で示したスペーサーとベアリングの間の隙間が密着しないように
打ち込んでいく。
(K原さんの裏技で、ホイール側をヒートガンで温めて、ベアリングを冷やしておくと打ち込みが楽にできるとのことだ。それなら微調整がしやすいと思われます。)
2014.10.12追記
結局のところ、外輪に力をかけて圧入するためゆがむのであって、ベアリング全体を面で押し込んでいく方法なら外輪のみ押し込まれることはない。
isさんがベアリング圧入器具を自作されています。これなら面でジワジワ入れていくことができる
何度も何度も確認しながら少しずつ打ち込み、1と2を達成できたら完了。
ここは一発勝負、もし打ち込みすぎてベアリングの内輪回転が渋くなったら失敗。
抜く方向に微調整はできないので、ベアリングを抜去して、また新しいベアリングに交換するしかない。
予備を用意しておこう
木をあてがってゴムシールを打ち込み取り付けて
車体に装着した。
ベアリングの打ち込みが甘すぎると、このフレーム間にホイールがおさまらない可能性があるが、
先ほど示した5.7~5.8mmの深さがちゃんと設定できていれば入らないことはない
アクスルシャフトを思いっきり締めたら、せっかく浮かして取り付けたベアリングが奥に沈み込むかと思われたが、おもっきり締めつけても後輪の回転は非常にスムーズで、
外して確認してみてもベアリング内輪は指でスルスル回っており、ベアリングが奥に押し込まれることはないようだ。他の構造物のクッションでベアリングに強い力がかからないためか?
次は前輪を作業する。
こちらもまずはライトベアリング、ブレーキアッセイを取り付けるほうから打ち込む。
メーターギアを引っかける出っ張りがあるので、奥まで挿入できるように21mmソケットで打ち込んでいく。
グリスの塗りつけ、また刻印が外側になるように気を付けよう。
メーターギア引っかけ出っ張りではなく、凹みのほうに合わせてツライチとする。
傷がつかないよう木でもあてがってゴムシールを打ち込んで
車体に装着。
スムーズに回った。
こちらもアクスルシャフトをしっかり締め込んでもベアリングのスムーズな回転に変化はなく
これでオッケーだと思う。
ちなみにサービスマニュアルにはただ「取り付ける」とだけ書いてあって。
このように若干浮かすようなことは全く書いていない。
なので、最初は底付きするまで、最後まで打ち込んでいたのだが、そうするとベアリングの内輪が手でなかなか回らず、ベアリングが動かずアクスルシャフトとの接触面で摩擦しつつ回転していた。
なので、上記方法の方がよいように思う。
ただ、これで正しいのかどうか、それもよくわからない。まあ参考にしてください。
(皆さんのコメントで加筆訂正される可能性も十分あり)