キャブレターのスクリュ
キャブレターに二つ存在するスクリュの機能と調整について。
はちまるはキャブレターセッティングに詳しくない。
なので下手にいじると訳が分からなくなるばかりだし、純正の正規状態にする調整以上のことはしていない。
調整機能のあるスクリュは上の二つ。
これらでアイドリング時の燃調とアイドリング回転数の上下を調整する。
アイドルスクリュ:回転数の調整
エアスクリュ:アイドリング時のエア量調整。
外してみよう。
赤丸がアイドルスクリュ、黄色丸がエアスクリュだ。
アイドルスクリュはスプリング1個のみ。
エアスクリュはスクリュ側から、スプリング・金属輪・ゴム輪の順に入っている。
これら二つのスプリングは長さが違うので注意しよう。
逆に取り付けても普通に取り付けられてしまい、短いスプリングを挿入されたアイドルスクリュは固定が甘くなって緩んでしまう。
また経年劣化でスプリングがヘタると振動で勝手にゆるんでいくので自然回転してしまうようならスプリングを新しくしたほうが良い。
(手で伸ばしてカタ付けしてもしばらくは持ちそうだ)
まずはアイドルスクリュの構造を見てみよう。
キャブレターの上から観察してみると、
青丸のようにアイドルスクリュがスロットルバルブ挿入穴に貫通する。
スロットルバルブは赤丸の突起に溝がはまることで回転しないようになっていて、
(スロットルバルブ回転防止突起。これが抜け落ちる不具合の報告有、詳しくはラクダ少佐のブログで)
その反対側のアイドルスクリュが当たるところに
斜めのスロープがついている。
つまり、図で表すと
こんな感じでめっちゃ単純だ。
ねじ込まれたスクリュがスロットルバルブを押し上げることで、アクセルを開けていくのと同様の効果を生み、
これで回転数を上げている。
次にエアスクリュ。
キャブレターのエア吸入口を見てみる。
このスクリュはアイドリング時の燃調を調整するので、アイドリング時の状態、つまりスロットルバルブが全閉の状態にしてみた。
メインの中央腔はスロットルバルブで閉まっている。この状態でエンジンが吸気を行うと、
写真の3個の穴からエアが吸入される。
チョークの穴、および走行については
こちらを参照。
今回はメインジェットの穴とパイロットジェットの穴の走行を見てみよう。
メインジェットのラインは青のラインに穴が貫通していて、青丸のメインジェットから燃料を吸い、上に開口している。
パイロットジェットのラインは黄色のライン、黄色丸のパイロットジェットから燃料を吸うのだが、
この経路に突き刺さるようにエアスクリュが入る。
これを緩めることでパイロットジェットからの混合気を薄くするのだ。
で
混合気の出てくるところはここ。
メインジェットは青丸。穴が大きいがジェットニードルが刺さっているので、開口部は狭小だ。
パイロットジェットの穴は黄色丸。小さいが刺さるものはなく、スロットルバルブよりもエンジン側に位置しているのでアイドリングの燃調に重要な役割を持つ。
基本的に、アイドリングの燃料はパイロットジェットに依存しているが、アイドリング調整のためにアイドルスクリュを締めこんでスロットルバルブが上がると、メインジェットの関与が増えるということがわかる。
調整方法は整備マニュアルにある通り
プラスドライバーでエアスクリュを最後まで締めこみ、2と3/8緩める。
ややこしい分数だが、
最後まで締めこむ→2.5回転緩める→1/8回転締める
とすると比較的わかりやすいか。エアスクリュはこれで固定。
その上でアイドルスクリュを回して適切なアイドリング回転数に持っていく。
タコメーターなどないチョイノリなので、判断は音に頼るしかないが、
アイドリングが安定する最低回転数で止めておけばよいかと思う。
ちなみに後輪が回りだすクラッチミートは3500rpmだ。
このあとは気温変化などによりアイドリング回転数を調整することがあると思うが、
はちまるはアイドルスクリュしかいじらない。
一般的なドライバーが+であるため、よくアイドルスクリュと間違えて+で回せるエアスクリュを回してしまうのだが、
すぐに取り出せるドライバーをマイナスドライバーにして間違えないようにしよう。