カムの損傷を診断する

不調なチョイノリはとりあえずカムを交換しとけ
とははちまるの名言。
とにかく長期使用したチョイノリはカムが損傷していることが多く
その場合はカムを交換することで復活できる。
 
しかしこのカム交換が結構大変で、
オイルを抜いて、エンジン降ろして、特殊工具を使ってジェネレーター周辺を外してからでないとカムを拝めない。
なので、本当にカムに問題があるのか、エンジンを降ろさなくても診断できる方法を紹介しておこう。
 
説明しやすいように画像はエンジン単体だけど、車載のままできるよ。

モデルになるエンジンは林道戦闘用発動機 誉だ。
オイルは抜かず、そのままでよい。
赤丸のように4か所の対辺10mmボルトを外してヘッドカバーを外す。
車載状態だとヘッドが高いのでオイルはまず漏れてこないが、
ここが低いとオイルが漏れるので、エンジンを降ろしてチェックする場合はヘッドが高位になるよう台座を置く。
 
黄色丸のジェネレーターカバーを外してフライホイールを露出させる。

ヘッドカバーを外したところ。
黄色丸のようにカムから伸びてくるプッシュロッドがロッカーアームを押して、
赤丸のようにバルブを押し込む機構が見える。
カムに損傷があると、このロッカーアームの動きが悪くなるはずなので、それをチェックするのだ。

ジェネレーターの印、赤丸の所を
黄色丸のケースの印に合わせる。
 
この状態で「圧縮上死点」もしくは「吸排気転換・上死点」のどちらかになっている。
フライホイールを45度ほど左右にグリグリ回してみて、吸排気バルブが動くようなら「吸排気転換・上死点」
動かなかったら「圧縮上死点」だ
 
圧縮上死点に合わせよう。

わかりやすいように、また回しやすいようにジェネレーターのナットに14mmメガネレンチを付けたが
つけずに手で回してOKだ。
 
赤丸の印の方向にメガネレンチが一致するようにしてある。
ジェネレーターは逆時計回転なので、左回りに回していき、吸気バルブと排気バルブの動きを見ていこう。
まず、圧縮上死点では吸排気ともバルブは閉まっている。
回していくと

この点で赤丸で示した下側のバルブ=排気バルブが開いてくる。
ここまでが爆発・膨張過程で、ここからが排気過程ということだ。
さらに回すと

排気バルブが徐々に開いていき、最大開度まで開いたあと閉まっていく、
そしてこの位置で排気バルブが完全に閉じて、その直後から吸気バルブが開き始める。
ここまでが排気過程で、ここからが吸気過程ということ、
つまりここが吸気・排気の転換点、「吸排気転換・上死点」だ。
さらに回すと

吸気バルブは徐々に開いていき、最大開度を過ぎたら徐々に閉まっていく。
そして写真の位置で吸気バルブが完全に閉じる。
ここまでが吸気過程、両方のバルブが完全に閉じてしまった、この後が圧縮過程になるのだ。
さらに回して

最初の状態、圧縮上死点になる。
ここまでが圧縮過程、この点で点火爆発して膨張過程になる。
 
これが4サイクルエンジンの4つのサイクルに伴うバルブの動きだ。
 
チョイノリの樹脂製カムシャフトは歯車部分とカム部分に分かれる。
そのつなぎ目が長期使用でゆるんでグスグスになったり破壊されていると、吸排気バルブのタイミングが狂う。
また、カムの軸が破損した場合でもタイミングが狂う。
このチェックで異常が見られたらカム交換を覚悟しよう。
 
カムシャフトの形状が保たれているが、カムの山が徐々に削れてきた場合は、
上記のタイミングは異常なくても、バルブの開度が減っていると思われる。
それを測定にて推定してみたい。

各車 数値には誤差が出るだろうが、うちの誉エンジンは
吸気バルブ閉 では ヘッドカバー合わせ面からバルブ皿までの距離が約5.5㎜

吸気バルブ開 では約3mm
なので5.5-3.0=2.5mm
吸気バルブは2.5mmの開度。
 
排気バルブはエンジンの下側で測定しにくいが、エンジンの側面で測る。

排気バルブ閉 でバルブの皿位置は6.0mm

排気バルブ開 で3.5mm
なので6-3.5=2.5mm
排気バルブでもやはり2.5㎜の開度。
 
ということで吸排気ともカムの削れがなくしっかりバルブが開くなら2.5mmほどロッカーアームが沈む。
ここを測定してカムの削れがひどいようなら
速度低下はカム削れが原因の可能性が高い。カム交換しよう!
 
カム交換をするときは、予算に余裕があるなら
ロッカーアーム周辺を後期型に換装してカムの耐久性を上げておいた方がよい
 

チョイノリサイトやってます
整備情報が検索しやすくなっているよ!!

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非公開コメント

No title

>まつきちさん
カム交換のときにはロッカーアームの後期型換装も同時作業した方が
長持ちになってよいですよね。
追記しておくことにします

No title

>ふもももさん
確かに沈み込み量は同じでしたが測定値に違いがありました。
なるほど ザ ワールド!

No title

>リュウボウさん
事前チェックができていたらパーツ注文も早めにできますしね
また、いろいろネタを探して整備の手助けになる記事を書いていきたいと思います

No title

>isさん
自分もisさんのブログでいろいろ知れて助かります
チョイノリの普及に頑張っていきましょう(笑)

No title

ステムシールの分スプリング荷重が不均一にならない様に
排気側のバルブは長めになっているみたいですね
バルブシート異常とかでバルブ閉の位置も変化しそうです
各地で測定祭りが開催されそうですね(笑)

No title

なるほど!ザ・ワールド!(なつかしー)
中古購入後の一人温泉ツーリングで被弾した時には、この手順で
診断したら・・・でも動かないけど( ゚∀゚)・∵. グハッ!!
樹脂カムといえども耐久性は向上してますけどね、初期型はちと・・
耐久性が(*´д`*)ハァハァ・・

No title

はちまるさん!お疲れ様ですさすが.はちまるさん勉強になります。

No title

素晴らしいィ~!
とてもわかり易いですね
オイラは国語の勉強からやり直さないと・・・( ;´Д`)

No title

>koroさん
カムって本当にいろんな状況に損傷しますよね。
徐々に削れただけなら時速10km/hとかでもなんとか走れちゃったり

No title

>ジュンさん
ゲストブックでカムの状況確認の質問されたときに、この内容を文章で伝えようとして…
ぜってー無理!(@∀@)
と思い、記事にすることにしました。
カム交換って敷居高いですからね~、交換前にチェックは必要です
(^^)

No title

なるほど、細かい作業手順が分かりやすい!
こないだ開いたエンジンに入ってたカムは、2mm以上減ってたんで、ほとんどバルブは開いてなかったったことですね(O_O)

No title

こう言う記事は本当に助かります。是非とも参考にさせてもらいます
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