ホンダ ピープル 整備
チョイサンタ師から譲渡してもらったバイク3連発の最後、ホンダ ピープル。
非常に調子よく走っているのでいじるところもない。
ただ
チェーンカバーがワレワレで一部欠損も有り装着できない。
こういうのって汎用パーツで出たりしないかな。
原付とはいえ ほぼ自転車なのでアサヒに相談に行った。
しかし、チェーンカバーはそれぞれの車体専用品なので汎用品はなく、他車種流用は装着の可否につき責任持てないと。まあそうなるか。
もちろんピープル専用品などない。
そこで割れているところは金属線で補修。そして欠損部は
金属線&パテで形成してみた。
装着部の雌ネジ修正して。
完成。
試運転してみたが割れることもなくしっかり装着できている。
近所を走ってみるが非常に調子が良い。
坂も遅くはなるモノのぐいぐい上っていくので、足こぎを併用しなくても上っていく。
30kmほど試験走行をしていると、
信号待ちでガコッという振動とともにエンジンが止まった。
再度エンジンをかけて走る。
しかし、また同じ事が…信号待ちでのこの症状がだんだん増えていく。
おかしいぞ。
自宅に帰り、エンジンをかけてみると後輪がぐるぐる回っているが、後輪ブレーキをかけるとエンジンが止まってしまうようになる。どうやらクラッチが外れず直結しっぱなしになってきているようだ。クラッチのスプリングが損傷したのかもしれない。
信号待ちのたびにエンジンが止まっていたら、通常運用に問題だし直さないと行けない。
ピープルの整備マニュアルもいただいているので、クラッチを確認してみよう。
ピープルエンジン。
非常にコンパクトで微笑ましい。24cc空冷2ストローク単気筒。リードバルブ式。
各所に手が入らず、キャブレターに到達するだけでもエンジンを外さないと行けない整備性の悪さだが、エンジンを降ろす手順も少なく作業はサクサク進む。
外れたエンジン。後輪回転ローラーの摩耗も少なく劣化は少ない。
オートチョーク機構がついている。
ここらへん、チョーク操作に慣れない主婦層をターゲットにした商品だから簡略化・自動化を目指したのだろう。
海外車両でモペットといえばまず混合仕様だが、こいつはわざわざ分離給油でオイルポンプまで備えるところにもそういう開発思想を感じる。
オートチョーク機構はロードパルSのものなので構造は理解できる。
今回はいじらない
ジェネレーター側を開ける。
コイルを外したら、奥にクラッチ機構と遊星ギアがある。
ピープルはエンジン始動のために、後輪の駆動がエンジンに伝わるようになっていて、
(走りがけが基本の車両なのだ)
それでいて、エンジンからの駆動は後輪に伝わるが、クラッチ機構で低速で切れるようになっている。かなり複雑だ。
奥に見えるクラッチスプリング。
これの一本が壊れたか?と思ったが、みたところ異常は無い。
多分湿式クラッチなのにオイル切れを起こして滑りが悪くなったのだと思われる
異常なさそうなので、これ以上の分解はしない。パーツ供給に難のある車両なので、深入りは避けよう。組み直してミッションオイルを規定量いれ潤滑させる。
ついでにキャブレターを見ておこうと思ったら、インマニ外さないと外れない仕様。
調子よく走っていた車両なんだが、エアクリーナーフォルターの劣化粉化したカスが付着している。
かなり小さいキャブレター。微笑ましいパート2。
他車種でみたことない。専用設計なのだろうか。
内部もきれいなもんで、一応洗浄しておく。
エアクリーナー内部にも劣化粉化したかすが大量に付着していた。
洗浄する。
フィルタになり得る汎用のスポンジを入れてみたが、かなり調子が悪くなったので吸気抵抗が悪くなった様子。フィルタなしで運用する。
最後にサイクルコンピューター導入。
これでGPSに頼らずとも速度・走行距離が出るぞ。
整備後はクラッチが繋がってエンストすることなく、長時間の信号待ちでもエンジンは止まらない。
平地最高速度18km/h程度。
低速を愛する気持ちで楽しもう。
淡路島一周作戦前に分解整備し、ある程度の構造を理解できたのは良かった。
さあ、来週は淡路島本番だ!